人間の条件:ハンナ・アレント

【労働と仕事は違う】

美文の反対は悪文。よくもまぁ、こんな読み難いことを書けたものよね。しかも、この手の女史とは絶対に友達になりたくないわ・・・と、思いつつ、ちびりちびり読んでしまうのが「人間の条件」ハンナ・アレント。久々に再読。この人は、凄い人だが、わたし的には正義の駄々っ子だとも思えてしまう。

この本を手に取ったのはかれこれ4年前。分厚い本だわね、が第1印象。なんとなく訳者あとがきをパラリとめくったら、こんなことが書いてあり、私はそく買ったの。

535ページ「余談になるが、アレントに会ったとき、私は労働と仕事を区別する観念をどこで得たのかを彼女に訊いたことがある。彼女は、台所とタイプライターでと答えた!つまりオムレツを作るのは労働であり、タイプライターで作品を書くのは仕事なのである!」

私は、台所とタイプライターの答えに驚愕したのを今も覚えています。

要するに、アレントは、オムレツは自分の体に与えるものであり生きるための生命維持の作業であるが、タイプライターで書くものは自分以外に与える人工的な作業だと言っていると私は理解しました。前者が労働、後者が仕事。

この本は、パラリとめくったところに凄いことが書いてあるのですよ。だからついつい、いつも手の届くところに置いてあります。
今日、ぱっとめくった322ページには「権力は、活動し語る人びとの間に現れる潜在的な出現の空間、すなわち、公的領域を存続させるものである」と。

なるほど、のひと言。

この人はユダヤ人哲学者ギュンター・シュテルンと結婚して離婚しているのだけれど、「なんとなく誰でもいいという気分から、愛してもいない人と結婚しました」
あなた、小難しいことをやたらと考えられるんだから、誰でもいいっていう気分で結婚してんじゃないわよ!と、人間の条件を手に取るたびにツッコミを入れている私です。
549ページ。たまには、発狂しそうになるくらいの難しさの「人間の条件」いかがですか。あまりおすすめしないけれど。

自分HPに読んだ本のことを書くのもいいものですね。私は本を読んでいないと死んでしまう人なので、これからポツポツと初読読了ごちゃごちゃと書いていこうかな。

山下純子